村上春树小说《1Q84》多面性分析

时间:2024.3.31

湘潭大学毕业论文

题 目:村上春樹『1Q84』の多面性について 关于村上春树《1Q84》的多面性 学 院: 外国语学院 专 业: 日 语 学 号: 2009310808 姓 名: 周 盈 指导教师: 小 川 治 之 完成日期: 20xx年5月15日 i

湘 潭 大 学

毕业论文(设计)任务书

论文(设计)题目: 关于村上春树《1Q84》的多样性

学号: 2009310808 姓名: 周 盈 专业: 日 语

指导教师: 小 川 治 之 系主任: 胡 俊

一、主要内容及基本要求

主要内容:

来的效果。

基本要求:

词汇,无重大语法错误。段落分明,层次清楚。论据充分,但不能泛泛而谈,成为史料汇编。论证合理、严密,结论明确,要有自己的见解。所用例句不能自造,必须出自日本原版书籍或国内正式出版的教科书。引用他人的观点或材料必须注明出处。参考文献要注明书名、作者名以及出版社、出版时间等。论文格式严格参照学校和日语系规定的

格式执行。

二、重点研究的问题

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三、进度安排

村上春树小说1Q84多面性分析

四、应收集的资料及主要参考文献 [1]安藤礼二 松長美恵 苅部直 諏訪哲史.村上春樹『1Q84』をとことん読む[J].

[2]『1Q84』ヘの30年 村上春樹氏インタビュー(上)(中)(下)[N].読売新聞.20xx年

6月16日-20xx年6月18日.

[3]宇佐美毅 千田洋幸.村上春樹と一九八0年代[C].富士リプロ.20xx年.

[4]加藤典洋.「桁違い」小説[J].文学界,20xx年8月,特集 村上春樹『1Q84』を読み

解く.

[5]清水良典.父の空位[J].文学界,20xx年8月,特集 村上春樹『1Q84』を読み解く.

[6]鈴木和成.誰もが「死後の生」を生きている[J].文学界,20xx年,640巻,6号.

[7]砂崎良.村上春樹クロニクル1979-2012[J].一個人,20xx年1月,1月号増刊.

[8]とうてらお.「物語」の力―村上春樹が『1Q84』で描いたもの[J].民主文学, 20xx年1月,第540号.

[9]松本健一.村上春樹『1Q84』を読み解く[J].第三文明社,20xx年12月.

[10]村上春樹.村上春樹インタビュー[N].毎日新聞.20xx年5月12日.

[11]村上春樹研究会.村上春樹『1Q84』を読み解く[М].大阪:三協企画印刷.20xx年.

[12]村上春樹,河合隼雄.村上春樹、河合隼雄に会いに行く[C].岩波書店19xx年.

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湘 潭 大 学

毕业论文(设计)评阅表

学号 2009310808 姓名 周 盈 专业 日 语

论文(设计)题目: 关于村上春树《1Q84》的多面性

村上春树小说1Q84多面性分析

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毕业论文(设计)鉴定意见

学号: 2009310808 姓名: 周 盈 专业: 日 语

毕业论文(设计说明书) 10 页 图 表 0 张

村上春树小说1Q84多面性分析

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村上春树小说1Q84多面性分析

目 次

要旨 ..................................................................... i キーワード ............................................................... i

1はじめに ................................................................ 1

2村上春樹と『1Q84』の創作動機について .................................... 1

2.1生い立ちと作家への道 ................................................ 1

2.2『1Q84』の創作動機 .................................................. 2

3『1Q84』の多面性について ................................................ 3

3.1『1Q84』の恋愛小説の面 .............................................. 3

3.2『1Q84』の社会小説の面 .............................................. 4

3.3『1Q84』の幻想小説の面 ............................................. 5

4多面性がもたらす効果 .................................................... 6

5終わりに ................................................................ 8

6参考文献 ............................................................... 10

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村上春樹『1Q84』の多面性について

要旨:村上春樹の最新作『1Q84』のストーリーは主人公の青豆と天吾がそれぞれ異なったきっかけで1Q84の世界に入り、そこで二十年振りの再会をし、度重なる困難を超え異世界から脱出することで結末を迎える。小説の中では、家庭暴力、不倫、出版業界の詐欺、邪教、暗殺などの多様な出来事が取り上げられ展開していく。空気さなぎ、リトル?ピープルなど現実世界にはありえない存在も描かれている。この小説は村上以前の作品より一層複雑な構成を持ち、様々な面を含む幅広い小説だと言われている。主に都市小説を書く村上春樹は何故このような小説を書いたのであろうか。この小説の多様な面とはどのような面であり、また、それらの面はどのような効果をもたらしているのであろうか。そこで本稿では、『1Q84』の創作動機と恋愛?社会?幻想の三つの面を分析し、さらに、これらの面がもたらす効果について検討した。

村上春樹は近い過去を小説にしたいと思い、地下鉄サリン事件から「月の裏側に一人残されていたような恐怖」を出発点とし、9?11テロ事件や阪神?淡路大震災から世界への不信感を感じ、「精神的な囲い込み」に対抗する為『1Q84』を書いた。『1Q84』には純粋な愛を求める恋愛の面、「善」と「悪」のような人倫に関わる社会の面、奇抜な想像を込め、現実世界にありえない物事や流れを描く幻想的な面も持っていると考えられる。また、『1Q84』には恋愛?幻想?社会といった三つの面が複雑に絡み合い、様々な問題が提起され、それらの問題を考えなければこの作品を理解することができない。答えの無い多様な問題を考えことにより、広い面からの認識を呼び起こす力となっていると考えられるのではないだろうか。

キーワード:創作動機 多面性 恋愛 社会 幻想 考えること

关于村上春树《1Q84》的多面性

摘要:村上春树的最新作品《1Q84》的故事情节以主人公天吾和青豆因各自不同的契机进入到1Q84世界,二人阔别二十年后在那里相逢,跨越重重困难从异世界逃脱从而迎来故事的结局。小说从家庭暴力、不伦恋、出版业界欺诈、邪教、暗杀等事件取材并展开。这部小说与以往的村上作品相比构成更为复杂,被认为是包含有多个面的、广幅度的小说。村上春树为何要写这样的小说?这部小说的多样的面是指什么样的面?这些面为小说带来了怎样的效果?此稿就是就村上春树《1Q84》的创作动机以及恋爱、社会、幻想的三个面来进行分析,并研究这些面所带来的效果。

村上春树对近过去小说的创作欲望、从地下铁沙林事件中得出的“孤身一人被遗忘在月球表面的恐怖”的创作出发点、从9.11恐怖事件及阪神、淡路大震灾中感到的对世界的不信任,由这些原因而写下了为与“精神上的牢笼”相对抗的作品《1Q84》。《1Q84》中有着追求纯粹的爱的恋爱面,又 i

有着涉及善、恶之类的人伦问题的社会面,还有着奇拔的想象,并描写了很多现实世界中不存在的事物和情节的幻想面。并且,《1Q84》中恋爱、社会、幻想三个面错综复杂地交汇在一起,很多问题被提及。不思考这些问题就无法理解这部作品。可以认为,对这些没有答案的问题的思考,成为了从广义范围上唤起人们的认识的力量。

关键词:创作动机 多面性 恋爱 社会 幻想 思考

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1はじめに

村上春樹の最新作『1Q84』のストーリーは主人公の青豆と天吾がそれぞれ異なったきっかけで1Q84の世界に入り、そこで二十年振りの再会をし、度重なる困難を超え異世界から脱出することで結末を迎える。小説の中では、家庭暴力、不倫、出版業界の詐欺、邪教、暗殺などの多様な出来事が取り上げられ展開していく。空気さなぎ、リトル?ピープルなど現実世界にはありえない存在も描かれている。この小説は村上の以前の作品より一層複雑な構成を持ち、様々な面を含む幅広い小説だと言われている。主に都市小説を書く村上春樹は何故このような小説を書いたのであろうか。この小説の多様な面とはどのような面であり、また、これらの面はどのような効果をもたらしているのであろうか。そこで本稿では、『1Q84』の創作動機と恋愛?社会?幻想の三つの面を分析し、さらに、これらの面がもたらす効果について検討する。 2村上春樹について

2.1村上紹介

村上春樹、現代日本文壇で活躍している作家で、アジアでノーベル文学賞に一番近い作家だと言われている。19xx年京都府京都市伏見区に出生した。19xx年早稲田大学第一文学部に入学、19xx年卒業した(七年間在学)。19xx年6月『風の歌を聴け』で第22回群像新人文学賞を受賞して作家デビューした。カート?ヴォネガット、ブロティガンらのアメリカ文学の影響を受け、「高度資本主義社会を生きる現代人、特に現代都市生活をする人に向け、都会人のライフスタイルに合った価値観に即し、その共感を呼ぶ小説、所謂『都市小説』を書く」①ことによって人気のある作家になった。

デビュー作の『風の歌を聴け』は新人賞に受賞したが、社会に無関心な青年を描き歴史や現実から逃避した作品だと酷評もされている。「都会人向けの楽しいエンターテインメントだけを書き続けていては、作家として自分の生きた同時代に向き合ったことにならない。歴史や社会と繋がっているのが人間なのだ。そういう思いがあるのではないでしょうか。」②と近代日本?アジア精神研究の第一人者として活躍中の松本健一が村上のことをそう推測した。19xx年~19xx年出版された『ねじまき鳥クロニクル』には、ノモンハン事件について戦争やそれにまつわる暴力を言及している。その後の『アンダーグラウンド』と『約束された場所』は「地下鉄サリン事件の被害者と加害者に向き合い、闇を負ったものとの対話から新たな文学が生まれた」③と評価されている。前期の作品と違って社会の出来事を題材に求めるようになってきたのは明らかである。ノモンハン事件、地下鉄サリン事件、神戸震災などの社会事件を真正面から題材にしたことで世を驚かせた。これは村上自身の言葉によると「デタッチメント」から「コミットメント」④へ個人創作の「第三のステップ」⑤である。 1

2.2『1Q84』の創作動機

執筆の動機として、まず第一はジョージ?オーウェルの近未来小説『1984』を土台に、近い過去を小説にしたいと村上は以前から思っていた。『1984』はスターリン体制下のソ連を連想させる全体主義国家によって分割統治されている近未来世界の恐怖を描いている。『1984』に影響された一方、村上は19xx年代後半からの時代を意識し、それを『1Q84』の時代背景として設定したのである。実際の19xx年は日本において高度経済成長期の最中でありながら、隠された数多くの危機もあり、19xx年には地価の暴落に始まるバブル崩壊が起きた。世界では、ソ連の実力が弱まるに従って冷戦が終わり、90年代に入るとポスト冷戦時代が始まった。このような混沌とした19xx年の世界は『1Q84』の底辺をなしている。

第二は地下鉄サリン事件が起こったことである。地下鉄サリン事件というのは、19xx年3月20日午前8時ごろ、東京都内の帝都高速度交通営団(現在の東京地下鉄)、丸ノ内線、日比谷線で各2編成、千代田線で1編成、計5編成の地下鉄車内で、化学兵器として使われる神経ガスサリンが散布され、乗客や駅員ら13人死亡、負傷者数は約6300人が出たテロ事件である。村上春樹は地下鉄サリン事件の裁判の傍聴を続け、事件で一番多い8人を殺し逃亡した林泰男死刑囚に強い関心を持った。「極普通の、犯罪者性人格でもない人間がさまざまな流れのままに重い罪を犯し、気がついた時にはいつ命が奪われるかわからない死刑囚になっていた――そんな月の裏側に一人残されていたような恐怖を自分のことのように想像しながら、その状況の意味を何年も考え続けた。それがこの物語の出発点になった。」⑥つまり、林泰男について考え続けることから「月の裏側に一人残されていたような恐怖」といったものが感じた。その恐怖、或いは不安がこの小説の出発点になった。

第三、19xx年に起きた阪神?淡路大震災と20xx年起きた9?11テロ事件とも関わっている。19xx年1月17日午前5時46分に発生した兵庫県南部地震により、神戸市をはじめとする兵庫県内の阪神地区諸都市、及び淡路島北部で、死者約6500人、負傷者約4万人以上が出た。村上はその時の日本人が「自分はなぜ、ここにいるんだろう」⑦という現実からの乖離感を世界より一足早く体験した気がすると述べている。さらに9?11事件で合計約3000人が死に、ツインタワーを含め六つの高層ビルも倒壊した。「事件の映像を何度も見せられているうちに、ふとした何かの流れで、あの建物がない奇妙な世界に入り込んだと感じる人がいてもおかしくない。G?ブッシュが再選されず、イラク戦争も起こらない、そんな別の世界がここではないどこかで続いているかもしれない。」⑧とインタビューに答えている。この二つの事件で、村上は自分が生きている世界への不信感を持ち、その不信感が『1Q84』の創作動機となり、1Q84のような異世界を設定した理由でもある。

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また、阪神?淡路大震災と地下鉄サリン事件、911テロ事件に言及した上で、村上はこう語っている。「僕が今、一番恐ろしいと思うのは特定の主義主張による『精神的な囲い込み』のようなものです。多くの人は枠組みが必要で、それがなくなってしまうと耐えられない。オウム真理教は極端的な例だけど、いろんな檻というか囲い込みがあって、そこに入ってしまうと下手すると抜けられなくなる......物語というのは、そういう『精神的な囲い込み』に対抗するものでなければいけない。目に見えることじゃないから難しいけど、いい物語は人の心を深く広くする。深く広い心というのは狭いところには入りたがらないものなんです。」⑨人の心を広く深くして「精神的な囲い込み」に対抗するのは村上が『1Q84』を書いた最終の目的だと考えられる。 以上のことから、近い過去を小説にしたいという思いや、身近に起こった事件から月の裏側に一人残されていたような恐怖や不安、自分が生きている世界への不信感が創作動機となっている。こういう動機があり、また人の心を広く深くして「精神的な囲い込み」に対抗する為、村上春樹はこの作品を書いたと考えられる。

3『1Q84』の多面性について

3.1恋愛面

主人公は作家になる志望を持つ東京の予備校で数学教師を務めている29歳の男の人天吾と、スポーツインストラクターの仕事していると同時に家庭暴力を振るう男を暗殺する29歳の女性青豆である。「証人会」の信者を勧誘する為、母に戸別の宣教活動をさせられた青豆は、NHKの集金係の父の仕事に付き添いをさせられた天吾と同じように、幼い時から心にある種の深い傷跡を持っている。ある週末に親に自分の好きではないことをやらせていたこのクラスメートの二人は偶然に出会った。話はしなかったが同じ境遇にいるかもしれないという共感を二人とも感じた。十歳の時、青豆は何の前触れもなく天吾の手を一度強く握りしめた。その後二十年間、二人は離れ離れになっても心は強く結び付いている。度重なる困難を超え、20年振りの再会をし、一緒に1Q84の世界から脱出する。

内容の面から考えると、一組の男女が10歳の時に手を握りしめたことが、その後20年間全く会っていないのに相手のことを忘れずに深く愛し、この愛の為自己犠牲までできるという純粋な感情は恋愛以外には考えられない。小説全体の内容と言うと、宗教?歴史?社会に言及しているが、その中心の位置あるのは二人の恋物語そのものである。

小説の構造からみると、青豆にまつわる話、天吾にまつわる話、一章ずつ交互に進行するという展開をとっている。(BOOK3に牛河の話を入れたのはBOOK3をBOOK1とBOOK2と違うものにするためであると村上本人の説明もあり、ここで詳しく論じない。)独立した二つの物語が、スタートラインではそれぞれ無関係に始まり、物語の 3

進行につれ、徐々に繋がりを持ち、最後には融合してしまうという構成をとっている。構成と同じように、主人公の運命も全く別人からだんだん絡み合い融合する。このような構成を見ると作者は主人公の恋愛を主な筋立てとしていることが明らかである。 一歩深く入って精神的な面から考えれば、月さえ二つ出る1Q84の世界には、信じられるものはおそらくあまり多くはないが、愛は疑いなく信仰そのものであると言える。「愛がなければ、すべてはただの安物芝居に過ぎない」⑩と「さきがけ」のリーダーが死ぬ直前に語った。青豆と天吾の愛がなければ、1Q84の世界であっても1984の世界であっても意味のない存在である。愛があるから異世界にいても信仰があり、この信仰に導かれて歩むべき道を見つけられ、最終的に結ばれるのである。無二の真愛を求める二人の姿は1Q84の世界に一番感動させられるものとなっている。純粋な愛を謳っているこの作品は恋愛小説の面を持っていると言える。

3.2 社会面

『1Q84』には社会的に注目を集める話が多く、現代社会のシステム全体を一つの小説にしたといえる。社会?歴史?人間性などの話題を広く扱っているが中心は「現代社会における『倫理』」⑩ということである。村上以前の作品には「善」と「悪」は明らかに分けられているが、『1Q84』にはあまり境がはっきりさせていない。オウム真理教の林泰男死刑囚への裁判の傍聴はこの変化の誘因の一つである。林泰男は洗脳されて重い罪を犯した。ひょっとすると、洗脳されて罪を犯す可能性は誰にもある。「オウム事件は現代社会における『倫理』とは何かという、大きな問題をわれわれに突きつけた。……絶対に正しい意見、行動はこれだと、社会的倫理を一面的にとらえるのが非常に困難な時代だ。」と村上春樹は述べている。○この作品に書いてある「倫理」12

も明確に判断することは非常に困難である。

天吾は頼りがいがあり、しっかりしている男のイメージで「倫理」に背くことは無い人物として描かれているが、人妻との不倫もあり『空気さなぎ』のゴーストライターも務める。他人の家庭を壊すつもりは全くない、体の楽しみしか求めない不倫関係は、「悪」とは断言できないが、必ずしも「善」とも言えない。彼は過去に母親が別な男とセックスする場面を見て傷つけられ、その場面を思い出すたびに体が動けなくなり、意識もなくなる「発作」が起きる。しかし年上の彼女を抱きしめる時に傷つけられた心が和ぐようになる。これは天吾への一種の治療方法となっている。不倫関係にはある種の力が含んでいるとも言える。また、天吾はゴーストライターが詐欺に等しいことをはっきり知っているにも関わらずその仕事を引き受ける。書き直された『空気さなぎ』の受賞は詐欺と言えども、大きな力を持って宗教リーダーを操り尐女レイプをやらせたりする非現実的な存在であるのリトル?ピープルを『空気さなぎ』という作品を通して人々に知らしている。「あなた方はパンドラの箱を開けてしまっ 4

た、ということになるかもしれません。そこがいろんなものがこの世界に出てきてしまった...あなた方二人は、偶然の巡り合せとはいえ、あなたが考えている以上にパワフルな組み合わせだった」と牛河が天吾に語っている。○つまり、不倫関係は傷つ13

けられた心への治療方法になり、詐欺にはリトル?ピープルを抵抗する力を持っている。所謂「悪」な行動は「善」の結果をもたらす可能性があるだろう。「善」と「悪」の間の壁は一体どこにあるかは分かり難い。

青豆が殺し屋になり殺人を犯す場面は細かい所まで幾つか描写されている。しかし、殺し屋の青豆に対し恐怖感が湧かない、逆に一種の親近感或いは尊敬する気持ちが生じるかもしれない。弱い立場にある女性を助け、悪い男を罰するための殺人はまるで正義を代表しているようにも見える。有力な証拠がないから訴訟に訴えても罰せられない人を法律に認められない手段で罰することによって、青豆の殺人は法律に勝る正義になるとも言えるであろう。しかし恐らく他人の命を奪うか生き続けさせるかは誰にも決められることではない。いかなる理由があっても復讐のための殺人は許されないというのは従来の倫理観である。感情には「善」に違いがないが法律上には「悪」になる可能性もある。「善」のための行動であっても「悪」の結果をもたらすことにもなるだろう。善悪の見方を定めるのは難問である。

宗教リーダー深田保は一番論争を引き起こす人物として描かれている。オウム真理教の麻原彰晃を指しているという意見も多い、宗教リーダーの身分しか共通点がないと言う人もいる。本人のイメージを纏めると、有力な宗教団体「さきがけ」のリーダーとして信者の尊敬心を利用し、尐女レイプに手を染める五十代半ばの中年男のイメージである。しかし、殺される前に「この世には絶対の善もなければ、絶対の悪もない……善悪とは静止し固定されたものではなく、常に場所や立場を入れ替え続けるものだ。一つの善は次の瞬間には悪に転換するかもしれない。逆もある。」○と告げてい14

る。彼はリトル?ピープルに操られる道具としての存在であり、肉体にも精神にも苦しんでいるという自白によって「悪人」のイメージが一瞬に崩れ、一人の人間として描かれている。リーダーのことから「善」と「悪」の観念が混乱させ、善悪について自らそう思い込んでいることは必ずしも正しいことではないことを示唆している。 つまり、主人公の三人から見ると、『1Q84』には「善」と「悪」についての問題を提起し、絶対に正しい意見、正しい行動はこれだと明確に判断することと、社会的倫理を一面的にとらえることが非常に困難だという内容を含んでいる。このことから『1Q84』は社会小説の一面も持っていると考えられる。

3.3 幻想面

『1Q84』は普通のフィクション小説と異なって、科学的な理論に基づかず、現実にある物事と仮想した超自然の能力を持つ存在が交錯する特徴を持っている。二つの月、 5

リトル?ピープル、空気さなぎなどは現実にはありえないものである。

まず、小説を全体的に考えてみる。主人公はそれぞれのきっかけによって元の19xx年の世界から月が二つある1Q84の異世界に入り、最後にそこから脱出することになる。タイムマシーンや宇宙大戦といったフィクションは尐なくないが、同じ時間、同じ空間で並行した異世界の物語はそれほど多くない。こういう発想が物語の大筋となり幻想小説の基調となっている。また、リトル?ピープルは空気の糸で深田絵里子の分身を作りドターと呼びかける。ドターはパシヴァーとして神様の預言をレシヴァのリーダーに伝え、リーダーの行動によって実現されるという構図で宗教団体「さきがけ」が動いている。この構図によりリトル?ピープルが「さきがけ」を操ることが可能になる。これは現実世界にはありえないのではないか。

ストーリーの流れにも不思議な部分がある。例えば小説主人公の青豆は何もしないで妊娠したこと。そして妊娠した時期はちょうど青豆がリーダーを殺したその夜、つまり天吾は何かに操られ意識がなくなり、生理のない深絵里と象徴的に交じったその夜である。卵子の受精がないから妊娠することがないはずなのに、青豆は天吾のことをできた子供の父親だと思い込んだ。二人が再会する時に天吾も疑わずに自分が父親だと認めた。この妊娠が可能になった唯一の理由は深絵里が天吾と青豆の体の媒介になったことである。現実世界には有り得ないことであるから不思議だと思われる。 作品の中で幻想的に見える具体的な物事もある。例えば、二つの月。これは1Q84の世界のシンボルとして何度も描かれ注目を引いている。夜空に見慣れた黄色い月以外に、もう一つ小さくて緑の月が掛かっている。しかし主人公以外の人は同じ場所にいてもそんなことが気づかない。真新しいものを作るより、決まっているように思われる常識を破ることのほうがより幻想的に見える。また、最大の謎とされているリトル?ピープルは、森の中に住み、目の見えない死んだ山羊の口を通路とし、人間の世界にやってきて空気の糸でさなぎを作る、神話的なアイコンで非リアルな存在として描かれている。村上はリトル?ピープルについて「目に見えないファクター」○と語15っているが、現実世界に存在しない幻想的なもの以外には考えられない。

つまり、同じ時間や同じ空間で並行した異世界のストーリーの粗筋や、人間が非現実的な存在に操られることと受精なしに妊娠することなど現実世界にあるようで無い出来事や、二つの月?リトルピープル?空気蛹など現実世界に存在しないことを描いているから『1Q84』は幻想的な面も持っていると考えられる。 4多面性がもたらす効果

『1Q84』は恋愛?社会?幻想の面を持ち、恋愛物語の大筋には社会問題も提起され、幻想的な物事も含まれ、普通の小説と比べるとより複雑である。単なる恋愛小説であ 6

れば、恋愛問題を中心に考えれば大体理解できるが、『1Q84』には恋愛問題以外に様々な重要な問題が提出されている。

まず、善悪についても大きな問題になっている。一般大衆はいつも罪を犯す人を「あちら側」、自分のことを「こちら側」と設定し、その間に明確な線を引く。しかし、『1Q84』には「あちら側」と「こちら側」の間に明確な線が引かれていないのである。『1Q84』は恋愛?社会?幻想の面を持っているから、青豆、天吾、宗教リーダーなどの人物もそれぞれの面に応じ、異なる身分や人格を持っている。例えば青豆は恋愛の面には真愛を求めるため命さえ捨てても構わない人間であるが、社会の面に弱い女性を守る為殺人を犯す「罪人」である。前に論じたように三人ともある意味では「善」と「悪」の片方だけに属しているとは言えないのである。オウムの林泰男死刑囚を例として、「彼はふとした成り行きでオウムに入って、洗脳を受け殺人を犯した」。○林16泰男のように「悪人」だと思われる人であっても、生まれながら「悪人」のラベルが付いているわけではない。一般大衆は罪を犯していない立場から考えると、罪を犯した人が当然の悪人だと思うが、罪を犯した人でも完全な悪人ではない可能性がある。逆に罪を犯していない人でも完全な善人とも言えない。作品に出る殺人、詐欺、尐女レイプなど一般倫理観における「絶対悪」は、弱い立場にいる女性を助ける為殺人を行う。リトル?ピープルのような大きな未知な力に抵抗する為詐欺をする。非現実的な存在に操られ尐女レイプを犯す。それぞれの理由があるからこれらの「絶対悪」は相対化されている。善悪は相対化されているからそれを判断できるはっきりとした標準はなくなる。「重要なのは、動き回る善と悪のバランスを維持しておくことだ。どちらかに傾き過ぎると、現実のモラルを維持することがむずかしくなる。そう、均衡そのものが善なのだ。」○とリーダーが殺される前に青豆に語っている。「均衡その17

もの」は抽象過ぎで具体的に何を意味しているかは理解し難いと思われる。

次に考えなければならないのはリトル?ピープルのような現実世界にありえない物事が一体どういう存在なのか、何を象徴しているかということである。リトル?ピープルについて、神秘で有能な探偵の牛河は「…そのリトル?ピープルなんたらのことも私にはとんと分かりません…そいつは場合によっては、ひどく危険なものになりかねないようです。それがどれぐらい危険なものなのか、どのように危険なものなのか、私のクライアントはよく承知しています。そしてその危険に対処するある程度のノウハウも持っています」○と言っているから、話の中の「クライアント」は何かを知っ18

ていると望まれている。しかしその「クライアント」即ち「さきがけ」のリーダーは、「リトル?ピープルが何ものかを正確に知るものは、おそらくどこにもいない。人が

○知り得るのはただ、彼らがそこに存在しているということだけだ。」と語っている。19

作品にはリトル?ピープルと一番近い繋がりを持つリーダーであってもリトル?ピー 7

プルのことを知らない。リトル?ピープルは誰もが知らない、大きな力を持つ非現実的な存在として描かれているのである。彼らは森の中に住み、死んだ山羊の口を通路として人間世界に入り、「さきがけ」のリーダーを操り、リーダーの行動によって自分の目的を達成する。それ以外に、リトル?ピープルはどこで生まれたのか、何故人間世界に来たのか、何故そういう行動をするのか、どういう力を持っているのか、作品には全く説明されていないのである。彼らが象徴している意味も明確にされていない。村上はインタビューで「或いはそれは(リトル?ピープルのこと)単純に我々自身の中の何かもしれない」○と語っている。前述した創作動機には「特定の主義主張20

による『精神的な囲い込み』」が言及されているが、「精神的な囲い込み」に入ると下手をすると抜けられないと同じように、「我々自身の中の何」に操られると思うどおりに行動することができなくなる可能性がある。リトル?ピープルは現実世界にありえない幻想的な存在であるが、「我々自身の中の何」という形式で実際に存在しているかもしれない。

以上のように恋愛?社会?幻想の面を持ち、恋愛物語の大筋には社会問題も提起され、さらに、幻想的な物事も含まれている。その中には様々な善と悪が問われているが、その間には明確な線はなく、重要なのは均衡であるという答えしか無い、また、幻想的な存在についても、「我々自身の中の何」として明確にされていないのである。 つまり、答えが明確に提示されていない多様な問題を自ら考えることにより、広い面からの認識を呼び起こす力となっていると考えられる。

5終わりに

本稿では、『1Q84』の創作動機、恋愛?社会?幻想の三つの面から多面性を分析し、さらに多面性がもたらす効果についても検討した。

村上春樹は近い過去を小説にしたいと思い、地下鉄サリン事件から「月の裏側に一人残されていたような恐怖」を出発点とし、9?11テロ事件や阪神?淡路大震災から世界への不信感を感じ、「精神的な囲い込み」に対抗する為『1Q84』を書いた。『1Q84』には純粋な愛を求める恋愛の面、「善」と「悪」のような人倫に関わる社会の面、奇抜な想像を込め、現実世界にありえない物事や流れを描く幻想的な面も持っていると考えられる。また、『1Q84』には恋愛?幻想?社会といった三つの面が複雑に絡み合い、多様な問題が提起され、それらの問題を考えなければこの作品を理解することができない。答えが明確に提示されていない多様な問題を自ら考えることにより、広い面からの認識を呼び起こす力となっていると考えられるのではないだろうか。

しかし、多面性の効果については十分に検討することができなかった。この点を今後の研究の課題としたい。

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①松本健一.村上春樹『1Q84』を読み解く [J].第三文明,20xx年,12月号:36.

②松本健一.村上春樹『1Q84』を読み解く [J].第三文明,20xx年,12月号:39.

③砂崎良.村上春樹クロニクル1979-2012[J].一個人,20xx年1月,1月号増刊:72.

④デタッチメントは関わりのなさ。コミットメントは関わり。村上春樹,河合隼雄.村上春樹、河 合隼雄に会いに行く [C].岩波書店19xx年:12-13.

⑤「まず、アフォリズム、デタッチメントがあって、次に物語を語るという段階があって、やがて、それでも何か足りないというのが自分でわかってきたんです。そこの部分で、コミットメントということがかかわってくるんでしょうね。」村上春樹 河合隼雄.村上春樹、河合隼雄に会いに行く[C].岩波書店,19xx年: 70.

⑥村上春樹.『1Q84』ヘの30年 村上春樹氏インタビュー(上)[N].読売新聞,20xx年6月16日. 7村上春樹.○『1Q84』ヘの30年 村上春樹氏インタビュー(上)[N].読売新聞,20xx年6月16日. 8村上春樹.○『1Q84』ヘの30年 村上春樹氏インタビュー(上)[N].読売新聞,20xx年6月16日.9村上春樹.村上春樹インタビュー[N].毎日新聞,20xx年5月12日. ○

10村上春樹.新潮文庫1Q84 BOOK2後編[M].東京:新潮社,20xx年:33. ○

11村上春樹.○『1Q84』ヘの30年 村上春樹氏インタビュー(上)[N].読売新聞,20xx年6月16日. 12村上春樹.○『1Q84』ヘの30年 村上春樹氏インタビュー(上)[N].読売新聞,20xx年6月16日. 13村上春樹.新潮文庫1Q84 BOOK2前編[M].東京:新潮社.20xx年:181. ○

14村上春樹.新潮文庫1Q84 BOOK2前編[M].東京:新潮社.20xx年:312. ○

15村上春樹.○『1Q84』ヘの30年 村上春樹氏インタビュー(上)[N].読売新聞,20xx年6月16日. 16村上春樹.○『1Q84』ヘの30年 村上春樹氏インタビュー(上)[N].読売新聞,20xx年6月16日. 17村上春樹.新潮文庫1Q84 BOOK2前編[M].東京:新潮社.20xx年:313. ○

18村上春樹.新潮文庫1Q84 BOOK2前編[M].東京:新潮社.20xx年:177. ○

19村上春樹.新潮文庫1Q84 BOOK2前編[M].東京:新潮社.20xx年:308. ○

20村上春樹.○『1Q84』ヘの30年 村上春樹氏インタビュー(上)[N].読売新聞,20xx年6月16日.

参考文献

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月,64巻8号:142-159.

[2]『1Q84』ヘの30年 村上春樹氏インタビュー(上)(中)(下)[N].読売新聞.20xx年6月16

日-20xx年6月18日.

[3]宇佐美毅 千田洋幸.村上春樹と一九八0年代[C].富士リプロ.20xx年:282-296.

[4]加藤典洋.「桁違い」小説[J].文学界,20xx年8月,特集◎村上春樹『1Q84』を読み解く:216-219.

[5]清水良典.「父」の空位[J]. 文学界,20xx年8月,特集◎村上春樹『1Q84』を読み解く:220-223.

[6]塩田勉.『1Q84』を読み解く――連想復語の文体論的解明[P].早稲田大学,20xx年3月,国際

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[7]鈴木和成.誰もが「死後の生」を生きている[J].文学界,20xx年,640巻,6号:256-259.

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[9]とうてらお.「物語」の力――村上春樹が『1Q84』で描いたもの[J].民主文学,20xx年1月,

第540号:116-129.

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[11]村上春樹.村上春樹インタビュー[N].毎日新聞.20xx年5月12日.

[12]村上春樹研究会.村上春樹『1Q84』を読み解く[M].大阪:三協企画印刷.20xx年:20-23,98-105,

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[13]村上春樹 河合隼雄.村上春樹、河合隼雄に会いに行く[C].岩波書店19xx年:12-13,70. 10

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