浪客剑心追忆篇 台词

时间:2024.4.20

明治剣客浪漫伝 るろうに剣心

~~追忆篇~~

第一幕:斬る男

比古:病んでいる時代も人も心も。。。。。。日ごと波瀾へ向かうこの時代が、強大な力を持ってと言っても、この流れを押しとどめることなどできはせん。。。。。。

(心太達一行の出番)

(夜盗にあった)

(屠殺)

霞:お願い!この子だけは!

(殺された)

桜:心太。。。。。。心太。。。。。。あんたはまだ小さいから、私たちみたいに自分で生き方を選ぶことはできないの?だから、今死んじゃだめ、あんたを生きたい、生きて自分の人生を選んで、死んだ人たちの分まで。。。。。。心太、生きて。。。。。。生きて、心太。。。。。。私の分まで。。。。。。

(殺された)

(比古が現れた)

夜盗:誰だ?貴様?!

比古:これから死ぬ奴が持っても意味がねぇなぁ。。。。。。 (夜盗はその実力の差が分からずに 比古に刀を振って来た) (勿論、夜盗は一撃で殺された)

(比古が心太と初めて会う)

比古:通り合わせたのが 何かも縁し、仇は討った。恨んでも悔やんでも 死んだ人間は蘇らん。己が生き延びれただけでもよしということだ。。。。。。 (比古が離れた)

比古:よくあることだ。。。。。。立ち昇る血と白梅混む匂い。。。。。。夜盗に犬のように殺されるのが地獄、売り飛ばされて女郎になるのもまた地獄。そう、よくあることだ。。。。。。これまでも、そしてこれからも。。。。。。飛天御剣流の理に従った刀を振っても、結局だれ一人救えないこともある。俺が確実にできることといえば、辞世者の骸を葬ってやることぐらいか。。。。。。 (再び心太と会う)

比古:親だけでなく、夜盗共の墓までも鋤けたのか?

心太:親じゃなくて、お買い、親は去年コレラで死んだ。でも、夜盗だろうと人買いだろうと死ねばただの骸だから。

比古:その石は?

心太:霞さん、茜さん、桜さん。。。。。。会ってまだ一日だったけと、男の子は自分一人だったから、命を捨てても守らなきゃと思ったんだ。でも、皆 自分を庇って、この子だけはって。。。。。。自分が子供だから。。。。。。だから、せめて

墓ぐらいとはいい石を捜したんだけと、こんなのしかなくて、それも花がないんだ。。。。。。

比古:うまい酒の味もしらんでするのが不幸だからなぁ。。。。。。俺からの祭品。。。。。。

(そう言いながら、酒を墓の上に零した)

心太:ありがとう、あのう。。。。。。

比古:俺は比古清十郎。剣を少々やる。

心太:剣?

比古:坊主、お前はかけ替えないものを守れなかっただけでなく、その三人の命を託されたんだ。お前の小さい手はその骸の重さを知っている。だが、託された命の重さはその否ではない。お前はそれを背負ってしまた。自分を支え、人を守れる強さを身につけることだ。お前が生きていくため、大切な者を守り抜くために。。。。。。

心太:守り抜くために。。。。。。

比古:坊主、名は?

心太:心太。。。。。。

比古:優しすぎて 剣客に優れないからなぁ。。。。。。お前は今から剣心とまま。。。。。。

心太:剣。。。心。。。

(勢いが強い)

比古:お前にはおれの取って置き奥義をくれてやる。。。。。。!

(清里一行の出番)

清里:遅くなりました。少し急ぎましょう。

重倉:聞いたぞ、清里。

清里:はぁ?

重倉:来月祝言だそうだなぁ。。。

清里:はっあ。。。

重倉:あの幼馴染みの器量良しをもらうか?果報の者め。。。

清里:どうも。でも悪い気もするんですよ。世の中がこんなに荒んでいるうちに、自分だけ。。。

重倉:何を言うか?!世の中がどうあろうと人一人が幸せになろうとは悪いわけにはなかろう?!

(思い出が出る)

清里:来年の春には返れると思う。しばらく辛抱だ。お互いにな。。。帰りにお漬けを買おう。

(巴が優しく頷いた)

(剣心が闇の中から出る)

剣心:京都所司代重倉十兵衛と党友けすり。これより、「天誅」を加える。 官員:刺客か?!たくが剣を一振りで世が動くと思うのか?

官員:名乗れ!名乗らないのか?!

(殺された)

重倉:いかん!お前は今死んではいかん!

(清里を援護する)

(殺された)

清里:重倉さん!!!

(剣心と戦う)

(独り言)

清里:死ねない。。。死にたくない。。。

剣心:諦める!

清里:それはいかん!

清里:死ねない。。。今死ぬわけにはいかない。。。死にたくない。。。死んでたまるか。。。死なん!絶対に!うわぁぁぁ!!!

(二本の剣はすれ違った)

(清里の恨みを含めた一撃によって剣心の左頬に一字の刀傷を残した) (清里が唸る)

清里:死。。。死にたく。。。ない。。。今は。。。まだ。。。死にたくない。。。巴。。。!!! (止めを刺された)

(飯塚の出番)

飯塚:緋村、やられたのか?

剣心:大事ありません。

飯塚:緋村に傷を合わせる奴が居たとは。。。この男、かなりの腕か? 剣心:いえ。。。

飯塚:うん?

剣心:しゅうに。。。飯塚さん、後の始末よろしくお願いします。

飯塚:おい!

(旅館で思い出が出る)

(山での修業)

比古:さあ、持ち込んでこい!もっと早く!

(独り言)

比古:こいつは強くなる。たとえどんなに剣の才能を持っていても、強くなりたいと思わなければ、見ら枯れることはない。こいつは誰よりも何よりも強さを求めている。純粋に。。。そう。。。馬鹿症中ほど純粋に。。。

(現実、独り言)

剣心:飛天御剣流の理には、御剣流の剣、即ち人の世のために振るう剣だのです。弱気人々を守るために。。。

(桂小五郎一行の出番)

桂:久しぶりだな。。。ほおう。。。お前にたちおわびせた者がいるか? 剣心:不覚を取りました。

桂:飯塚、相手は?

飯塚:京都所司代重倉十兵衛の従者です。名前では。。。

桂:うん。

剣心:何か?

桂:実は今夜、内々の集まりなんてなぁ。。。としまるや宮部さんも出席する。今後のわが藩の方針を決定する大事な席だ。

剣心:護衛ですか?

桂:いや、その席にお前も出てみたらどうかと思ってなぁ。。。

飯塚:おう!すげいじゃないか?

剣心:お断りします。

飯塚:えっ?

剣心:自分は人斬り、それ以外に役に立てる術を持ちません。ほかに用が無ければ、これで。。。

(離れた)

侍:おい!ちょっと!

飯塚:あっ。。。失礼します!

侍:何だあの態度は!せっかく桂さんが気にかけて下さっているというのに! (奇兵隊の拠点で)

桂:奇兵隊?

高杉:おうや、こいつら とんでもねえ鉄砲だなぁになる。必ずなぁ。。。こいつらはやるぜ!時に途方もない力を出す。最後に幕府を潰すのはこいつだよ! 桂:腑抜け侍共よりもましたが、大丈夫なのか?

高杉:へい、お前は気が小さくていてね。。。

隊員:次!

(剣心の出番)

桂:あんな子供まで居るのか?

高杉:「奇兵」の「奇」は「奇抜」の「奇」ってなぁ。。。

(剣心が一撃で一刀両断)

高杉:どうだ?いいあんまりだろう?

桂:高杉!

高杉:何だよ!鳩みたいに目を丸くしやがって。。。

桂:あの少年。。。

高杉:うん?

桂:京に欲しい!

(「天誅」を加えた)

(また一字傷は血が流れていた)

(思い出が出る)

比古:山を下りることは許さん!

剣心:師匠!こうしている間にも大勢の人が動乱に巻き込まれて死んでいるんですよ!今こそ、この力を!御剣流を人々を守るために使うのでしょう?! 比古:このばか弟子が!

剣心:はっ?!

比古:その動乱の世にお前が一人で出ていてどうする?この乱世を変えたくば、いずれかの大勢に組するしか策はない。だが、それは即ち権力に利用されるということだ。俺はそんなことのために、お前に御剣流を教えたわけではない!お前は外のことなど気にせず、修行に励めばいい。

剣心:目の前の人々が苦しんでいる、多くの人が悲しんでいる、それを放っておくなど俺には出来ない!

比古:飛天御剣流は比類無い最強の流派。。。たとえるなら、砲火置く船。 剣心:だから、その力を今こそ使うべきでしょう!時代の苦難から人々を守るために、それが御剣流の。。。!

比古:剣は凶器、剣術は殺人術!どんな綺麗補綴や歌い文句を口にしても、それが真実!人を守るために人を斬る、人を生かすために人を殺す、これが剣術の真の理。。。俺はお前を助けたあの夜、何百人もの悪党を斬り殺してきた。だ

が、奴等もまだ人間、この荒んだ時代の中で精一杯生きようとしていたにすぎん。この山を一歩出れば、待っているのはものものの相容れない正義に突き動かされたあくことのない殺し合いなんか。。。それに目を通せば、御剣流はお前を大量殺人者にしてしまうのだろう?

剣心:それでも、俺はこの力で苦しんでいる人々を救いたいんです。一人でも多くの人を。。。多くの命を。。。この手で守りたい、そのために。。。師匠! 比古:お前のようなばかをもう知らん!どこへでもさっさと行ってしまえ! 剣心:ありがとう。。。ございました。。。

比古:俺のばか弟子はばかなりに自分の生き方を選んだということだ。純粋なりの故に。。。これもまた避けては通れぬ道。。。

飯塚:血が、出てるぜ

町の人の話(略)

沖田総司:斎藤さん、どうしました?

斎藤一:血の匂いを拐帯ような気がした

沖田:いやだな、斎藤さん、最近ちょっと切りすぎなんじゃないですか? 斎藤:沖田君

沖田:はい?

斎藤:言葉というものは、よく咀嚼し、厳密してから、口に乗せるようになぁ 沖田:はいはい。。。

飯塚:偉すぎ。。。通りの真ん中行きやがって。。。(剣心に)今夜、頼むぞ。。。うん?いい匂いがするんなぁ

剣心:白梅香

飯塚:なんだ、意外に色っぽいもしてるんだ、あの女か?いい女だな。。。じゃ、後でな

居酒屋の女:嫌々わ、先通りで壬生狼連中に出くわして、恐ろしくて道開けてしまいましたわ。。。。。。。

比古:春は夜桜、夏には星、秋に満月、冬には雪。。それで十分酒がうまい。それでもまずいなら、それが自分自身が何か病んでいる証だ。お前もいつか酒の味が分るようにな、そのときは、うまい酒を酌み交わそう

飯塚:最近とくにすごいな、お前?

剣心:なにがです?

飯塚:相手にひめをあげる暇も与えない。。。おい、まただ(血が出ているとのこと)、こんな名詩を聞いたことがある、強い恨みを込められた刀傷というのは、その念が晴れない限り、決して消えることはないんだ

剣心:恨みの込んだ、刀傷。。。

飯塚:そうな、消えそうがないというやつっと

剣心:姉ちゃん。。。

飯塚:まだ洗ってんのか?そういえば、この間の快報大変だったらしいぜ 剣心:どうしたんです?

飯塚:いやだな、宮部さんと桂さんがやりやがったとの話だ、どうも宮部さんたちがこの京で偉いことを進んでるらしい

剣心:桂さんは?

飯塚:今まだそのときではないってな、同席してた奴の話じゃ、宮部さんに斬り付けそうな勢いだったってよ

剣心:穏やかじゃありませんね

飯塚:まったくな。。。

桂:単刀直入に言おう、君は人を斬れるか?綺麗事を言うつもりがない、これは人殺しだ、だが新たな世を作るには、古きものを打ち壊さなければならない、いやな役割だが、誰かがこれをやらなければならん。お前は自分の力を人々を守るために使いたいと言った、ならばその力、俺に貸してほしい!新時代のために、君は人を斬れるか?

飯塚:おい、お前!験分役の飯塚だ、この仕事初めてなんだろう?気をしっかり持ってよ、たまに正気を失ったり、物を食えなくなって、倒れる奴もいるんだよ

剣心:大丈夫です、思ってたより平気でした。

飯塚:なら結構、この仕事は迅速、正確、確実を求めるなぁ、長居は無用!さっさとずらかるぜ!

剣心:自分の汚れた剣と犠牲になった命の向こうに、だれもが安心して暮らせる新時代があるんだったら。。。俺は!天に代わる!人を斬る!

高杉:どうだ、あの小僧?

桂:申し分ない

高杉:正直、ごったんの奇兵隊にとっては虎の子だが、お前のたのみなら、くれてやる、だが一つ条件がある。。。

桂:なんだ?

高杉:あの小僧の人生を台無しをするからには、おまえ自身は綺麗な身貫くんだ、今後一切、決して自分の刀を抜くんじゃねえぞ

桂:今の自分は長州藩維新志士筆頭だ、もとよりその気がない

高杉:本当だな

桂:約束しよう、今日は剣客、桂小五郎の命日だ!

高杉:それでこそ、お前は幕末祭りの長州の神輿になれるってもんだ、雅楽は俺に任せろ

桂:頼む!。。。。。。美輪だといい、武蔵野のむべに口元、留めお悲しい、大和魂!幕府は先生を暗殺した、だがその尊き理想は今も生きている、今日!!敢えて狂うことも厭わぬことに極めた正義、それは今の長州藩の、いや!この俺の原動力だ!

高杉:行ってこい、こいつは悪いようにはしないぞ。。。。。。朝寝してる暇なさそうだな。。。

飯塚:さすが人斬り抜刀祭、あれだけやって返り血一つだけ見てねえとはね。。帰りに酒でも飲んでかねえか?

剣心:いや、俺は。。。

飯塚:そうか、じゃ一人で寂しく飲んでっすか?じゃあな

桂:あれから一年、容姿が大人びたせいもあるが、あいつの様子が変わった、だが、心の中はまっあく以前のまま、怪我ら一つない

従者:では、安心ですね

桂:いや、ないままだからこそ、今の自分にひどい落差を感じ始めている、人斬りとしての自分に。。。

剣心:新撰組か?いや、俺と同様の影の刺客。。。

従者:今夜、私はこれで

桂:うん、ご苦労

従者:宮部さんたちにもう少し押し留めておきますので

桂:頼む、それと新撰組に気をつけると命令をしておけ

従者:はっ!

桂の女:今夜はもう?

桂:点画が閉まりだ

桂の女:お代わり頼みましょうか?

桂:まあいい、どうもお酒がまずい、まったく、京に火を放つなど! 巴:あなたは。。。本当に。。。降らせるのですね。。。血の雨を。。。。。。

剣心:見られた。。どうする。。口を封じるか。。。

巴:血を。。。止めないと。。。

剣心:この匂い。。。

第二幕 迷い猫

花売り女:花、要りまへんか、お花どうです?花要りまへんか?、お花どうです?

おかみ:おや、緋村はんですか?お帰りやす

剣心:おかみさん、部屋を頼みます

おかみ:長州藩はお世話をしようっすな~人斬りのあんた女腰ですか? 剣心:早く部屋を。。

おかみ:今いっぱいです、空いてる部屋なんかへんとあらしまへん、うちは出会いじゃやとじゃいまへんや(?)、緋村はんのお部屋をどうぞ、いまお湯と換えの服を用意しますって

剣心:終わりましたか、助かりました。。

おかみ:いいえ、それより。。これ、どうなんします?

剣心:おい、もういいのか?

巴:すみません、酔ってました

剣心:うん?

巴:なんだかお世話になったようで、酔っていたんです

剣心:名は?

巴:巴と申します、雪代巴

剣心:酔っていた?

巴:はい

長州藩の志士:お、あんた新顔じゃな

巴:巴と申します

志士:おう、見ろ、顔が別嬪よ!

巴:以後、お召しりょうきを。

飯塚:よう~あの女、緋村君が連れ込んだそうじゃないか?どこで拾った?上玉じゃないか、ありゃわきやりだな~で、どうだった?味は

剣心:えっ?

飯塚:お上に聞いたぜ、止めたんだろ?お前さんの部屋に。。。。。。うっ!脅かすなよ!種飲み込んぢまったや!薄いやつだな

剣心:だから。。。

巴:なんです?

剣心:昨夜見たことを一切忘れて、ここを立ち去ってもらいたい

巴:ここに居ては迷惑ですか?

剣心:家のものが心配するだろ?

巴:迷い猫。。

剣心:うん?

巴:帰れる家があれば、夜更けに一人でお酒なんか。。。血、もう止まりましたか?よかったですね

剣心:あなたのでしょう?

巴:ええ。。。

剣心:京の町は武装だ、こんなものは役に立たない、早く帰るところを探すことだ、こんなものの必要のないところ

巴:人きりの居ないところを。。

剣心:うん?

巴:。。ですね

おかみ:迷い猫?

剣心:ええ。。。雇うんですか?あの人を

おかみ:なにいうってはんの?あの子を連れてきたんは緋村はん違いますか? 剣心:昨夜は、ただの行き掛かりで。。。

おかみ:長州藩にはご平気にさすてもろて(注:即ち「させてもらって」)、この小萩屋はほんありがたいことで、けど、おかげで、猫の手も借りたいぐらい忙しくて、あんたのようは分りやすいな(?)、見たところよ、働くし、そんなこんなでまあ、きょうぴ人に聞かれかないか、このひとつや二つ、誰かでおもすんやろう?

飯塚:よう、ここか?

剣心:なんです?

飯塚:桂さんと片貝さんが来てる

おかみ:これですこし、目元が柔らかになるやろうか。。。

桂:今のは?

従者:あれが噂の。。。?

飯塚:そうなんですよ

剣心:飯塚さん!

桂:白梅香の香をしたな

剣心:桂さん!

桂:別に悪いとは言っておらん。。。飯塚、目元の素性だけを調べておけ 飯塚:はい

従者:緋村

剣心:なにか?

従者:別にあの女のことで来たわけではないのだ、昨夜、人を斬ったな 剣心:ええ、手筈通り

従者:その帰りに、闇討ちにあったな

剣心:うん

飯塚:始末するのに往生したよ、悪く思うな、そとにいる間、目が離せ 桂:何者だったんだ?感でいい

剣心:おそらく幕府側の刺客

従者:新撰組か

剣心:いいえ、はじめて見る邪険でした。どちらかと言えば。。。

桂:庭番の衆の類。。

剣心:ええ。。

従者:緋村の存在は極内内の者しか知らん、それを待ち伏せするとは。。 剣心:藩内に、裏切り者が。。。

桂:そういうことなのだ。。。事が大きい、調べはこちらでやる、お前たちは当面、新撰組に気をつけろ、いいな?

剣心と従者:はい!

桂:緋村

剣心:はい

桂:そろそろ春もしまいだな

剣心:はあ?

桂:桜の花が咲いている

桂:それで?

飯塚:言葉や習慣から、京生んではないことが一目瞭然、それにすこしは躾をされてるのが間違いないでしょう、腕使いも確かのもんです。おそらくは関東の武家の出と分断ですかね。ところが、どうやっても素性が悪いんです、武官にも雪小生の武家に該当する家はない、白梅香の線で色町もあらわせちまったが、皆目。。。

従者:素性をあえて消したか?密偵?

飯塚:いいえ、外部に連絡を取った後がありません、その線は薄いでしょう?大方、もとは貧乏武家にあたりの娘が女郎に見落とし、こっちに流れてきたんじゃないですかね、よくあることです。

桂:そうか、信じていいな?その話

飯塚:間違いないと思いますよ

桂:ご苦労だった

高杉の手紙:気をつけろよ、小五郎、国元じゃ、長老ともが騒ぎ始めてる、幕府が本当に桜を入れてきたのかどうか、どうもよく分らんからだ、ただ、このままじゃすまねえ気配はある、オレの勘だ、宮部さんたちの件もあるからな、いまは堪え時だぜ。

桂の女:よくない御文?

桂:もう何年もいい文だと読んだことはない

桂の女:いやな、ほら、宛がおうちに書いたんわ

桂:あれは別だよ

桂の女:高すぎさん、お体は?

桂:よくないらしい、女もうつるからととおざくているそうだ(?) 桂の女:鵜野さんいわ張りましたな(??)、お気の毒に。。。

桂:鵜野は承知しているよ

桂の女:本間に?

桂:晋作は喩えるなら抜き身の刀だ、誰もやつの生き方を阻めはしない 桂の女:本間に?高杉さんが抜き身なら鵜野さんは鞘ですな

桂:鞘か。。。そうだな

沖田:骨まで断ち割られていますね。。。

新撰組隊員:「示現流」でしょうか?

隊員:いいえ、違うな

隊員:京都施行職(?)預かり、新撰組だ!

斎藤:おそらく属は崇徳茂一達の永井氏

飯塚:無事か?おい!

斎藤:確かに「示現流」の打ち込みをまともに受ければ、刀を折られることもあろう。。

沖田:技の桁が違う。。。

斎藤:情報が不正確だったので、彼らを出したが、私は出るべきだった 隊員:何者でしょう

斎藤:凄き者だ、恐らくな

飯塚:ちっ!また待ち伏せか?しかも今度は新撰組だ、オレはひとまず桂さんのところへ走る!やはり裏切り者がいるのが間違いない!

巴:手より先に血を拭いてください

剣心:まだ起きていたのか。。。

巴:部屋が別でもだめのようです、あなたが出かけると、寝付けなくて。。 剣心:オレに構うな!

巴:なんだか、血の雨の降る夢を見そうな気がして。。。それで。。。お休みなさい

長州藩の人間:で、桂さんはなんと?

飯塚:御手指示するまで継起を持とうのはこれで現に慎むべし、それだけだ 長州藩の人間:どういうことだ?まだ動くなと言うのか?なぜだ?!他藩では多くの志士は新撰組にやられとる、ちょうどいい機会じゃないか?一層身分をおそってやつ等を血祭りに!そうだ!団地で打つべし!

飯塚:だって!藩内に裏切り者がいるのはもはや疑いの余地がない、迂闊なことしてみろ。。壬生の思う都合だ、いまは待つしかあるまい

お上:また降り出した?

巴:はい

お上:よく降るな~

小萩屋の店員:ご苦労さん

巴:花屋さんが最後の一束ですって

お上:*&#$)(@。。。せめて菖蒲でもいいけどな

巴:私、なにを。。?

店員:そこのお薯の皮、頼むわ

巴:これですね

お上:本当匂い似てるな

巴:えっ。。

お上:菖蒲よ、雨の中で一番匂い立つ、お日さんの元ではなく

巴:子供。。。子供だって、人は殺せる。。でも。。

剣心:すまない。。

巴:すこし冷えるので、窓票ですし

剣心:すまない

巴:これ、全部読んだのですか?

剣心:いや、一冊も。。寝るときにちょうどいいから積んである、人斬りに学問は要らん

巴:このままずっと人を殺め続けるつもりですか?安全な場所を見つからないのはあなたのほうではないのですか?刀を抱かなければ眠れないの?

剣心:小さいときから、ずっとそうしてきた、目の前で人が斬られるのも見た 巴:そしてこの先もずっと。。

剣心:こんな役目だ、そう長くはないと思う、それにあなたに心配される謂れもない

巴:だけどっ!

剣心:オレは血の雨を降らせる人斬りだ、あなたの持ち物に、再び血の匂い纏わせるのは忍びまい

巴:差出がましいことを申しました、私には、所詮理解できない生き方のようです、お邪魔しました

剣心:巴さん。。ありがとう

桂:許せよ、夜分にすまんな

巴:桂さん

桂:いや、誰も起こさんでいい、あんたに用があってきたんだ

巴:狂たる正義?

桂:わが師、吉田松陰先生の教えだ。そして緋村にはその狂たる正義の急先鋒を務めてもらってる

巴:子供に刃物をお持たせですか?

桂:国元に、高杉という男がいる、いいやつだな、時に狂に走り、それを喜ぶ癖がある、が、その狂刀をすっぽりと収めるいい鞘が付いている、鵜野という女だ

巴:鞘?

桂:鞘になってはくれまいか?緋村という抜き身を収める鞘に

巴:なぜ。。ですか?

桂:オレは緋村を狂わせている気がしてなろない、狂刀は時に悲劇を生むからな、しっかりと収める鞘がいることは。。矛盾は百も承知しているのが。。 新撰組幹部と斎藤:長州の吉田と肥後の宮部が京に入っている、ふるたかが入ったところでは、相当の人数が長州から来ていると思ったほうがよかろう?松屋から出てきた武器は事を構えるには少なすぎる、他に根城になっている商家があるはずです。探察が通そうとにしよう、急がなければ、あいつの話では会合はおそらく今夜だ、どうもきな臭い、長州に何らかの動きが、それも大きな 沖田:司会は桂小五郎ですか?

斎藤:多分な

新撰組幹部:とにかく、近藤さんと相談してくる

沖田:しかし、歳三さんはそこまでやるとは、思いませんでした

斎藤:土方さんはこの一件に新撰組の布陣を賭ける気なのだろう? 沖田:会合の場に居ますかね、あの人きり

斉藤:どうかな、汚れた仕事をやるものはぼういの席からは外されることが多

い、だが、あいつにあったとして、「天然理心流」はどう対する?

沖田:その名の通り、あるがまま、出たとこ勝負というやつですよ、「無我流」はどうです?

斉藤:すまん、愚問だったな、だが、いずれにせよいまは祇園祭の際じゃ、いつにも街で人が溢れている、騒ぎを起こすに絶好、これを防ぐのは至難。。 剣心:宮部さんからのお貸しですか?

飯塚:そうだ、もし恋にしてる女が居たら、今夜までに京の外へ逃がせって 剣心:前に言っていた大事と言うやつですか?

飯塚:他に何を?

剣心:桂さんはなんと?

飯塚:桂さんはここをしばらく藩邸にも姿を見せていない、うわさじゃ、宮部さんたちと決裂したらしい

剣心:決裂?

飯塚:いったい何が始まるのかもう少し調べてみるな、おまえ、巴をどうするんだ?

剣心:なにも。。別に俺の女というわけじゃありませんし

飯塚:誰もそう思ってないぜ、一度は助けた女だろうが。。。よく考えてみることだ、じゃな

志士の恋人:へえ?なんで?

志士:いいから京を出ろ!おまえ、里はどこだ?

志士の恋人:山代だけど。。。

志士:そうか、では一旦親の元へ帰れ!

巴:直終わりますから

剣心:いつもすまない

巴:お上さんの言い付けですから

剣心:そうか。。

巴:なにか?

剣心:いいえ

巴:あの、よかったら、今晩を付き合い頂けませんか?

剣心:へえ?

巴:お上さんからおやすみを頂いたんです、たまには外で気晴らししたいと思って。。でも、ひとりでは所在ないし

剣心:そうか。。。。うん?

巴:なにか?

剣心:久しぶりだ、まともな味がする

巴:きっとお祭りだからでしょう

剣心:そういうものかな

土方:。。。とうと平助、それから沖田、以上十名が総司の隊だ、残りは俺に従ってもらう

隊員:近藤さん

近藤:探察方の情報により川原町界隈の旅邸を探察する、これは碁、将棋と同じである、逃がせば、次の一手でこちらが攻め込まれる、従って漏れなく全員をほまくする(?)、様なく場、斬る!では諸君、出よ!

巴:私はあなたと逆、近頃はあんまり飲まなくなりました

剣心:まずいのか?

巴:いいえ、前と違ってお酒に頼る気がしなくなと、不思議ですけど。。。 剣心:頼る。。。そうか

巴:その後、顔の血を止まりましたか?

剣心:忘れていた

巴:じゃ、もうすっかり傷はよくなったんですね

剣心:血が滲まなくなっただけだ

巴:その傷を目にするたびに思います、斬られる人にはどんなものを見えたのかしら、あなた達は人を幸せにするために人を斬ると言うけれど。。。 剣心:なんだ?

巴:人を殺して得られる幸せなんて本当にあるとは思えない

剣心:毎日いろんなことが元で人が死ぬが、俺は無闇に人を斬っているわけではない

巴:つまり、その人にどれほど生きる価値があるか、計っているのでしょう?しかも、それさえあなたは人に委ねてしまって、言われるままに。。。

剣心:相手のことを詳しく知れば、迷いが出る。世の中を変えるためだ、俺にそれだけの理屈でいい

飯塚:すぐにここを出ろ!

剣心:どうしました?

飯塚:桂さんが危ない!今夜遅く、宮部さんたちは火を放す気だ、この京に! 剣心:なんですって?

飯塚:その上で、寺様(??)を入り、沈下させる計画だ、桂さんはそれを止めようとして、宮部さんたちと激論を戦わせてきた、だが、宮部さんは桂さんと袂を別った、まずいことに、この話は漏れているかもしれぬのだ、新撰組に。 剣心:?!

飯塚:俺は応援を呼んできた、お前はすぐに会合場所に行け!

剣心:場所は?

飯塚:川原町三十、池田屋だ!

新撰組隊員:総司、上だ!

見張り:何者だ?!

沖田:こいつじゃない!

長州藩志士:なんだ?

近藤:新撰組で御座る!

新撰組隊員:見たぞ!あいつに間違いない!

剣心:もと来た道を逃げろ!

巴:知ってますか?刀には鞘が必要なのこと

剣心:なにを言ってる?

巴:あなたが何時まで人を斬り続けるのか?私は見届けたい、この目で確かに! 斉藤:桂が居たか?

沖田:分りません、例の人斬りも居ないようです

剣心:鎖カタリだか?邪魔だ、退け!

新撰組隊員:「北辰一刀流」!@#$%^剣!(???)

剣心:花は無用!!

従者:桂さん

桂:なんだ、もうどうなっても知らんと宮部さんには。。。

従者:池田屋に新撰組が!

桂:幾松、しばらく身を隠す、いいな

隊員:やはり、桂が居ません、宮部は奥の間で腹を切っていました 斉藤:そうか

隊員:どうしましたか?

斉藤:梅の花の香りがした

隊員:夏ですよ

斉藤:ああ、狂い咲きかも知れんな

剣心:桂さんは来ていませんか?

お上:いいえ、池田屋の話を聞いた、ここも危ないやら、早く裏から!あ、巴ちゃん!覚えてるか、菖蒲の花、雨の中で一番匂いたつ、たとえそれが血の雨の中でもな

桂:緋村

剣心:桂さん!ご無事で!

桂:一層死んでいることを思うよ、藩邸も所司代の兵に取り囲まれている、これで俺のすべてを失った、だが今は、お互いに京から落ち延びることだけを考えよう、大津に家を用意させる、夫婦としてそこで隠せ、世を欺くには、夫婦がいい、飯塚はお連絡を役する、しばらくそこでも耐え、速くな、では。。いいな、巴さん

剣心:行くか、大津、夫婦もとして

高杉:ちっ!鵜野の飯を食いたいな

花屋:小萩屋の巴ちゃんやろう?

巴:花屋さん

花屋:どっかお出かけ?

巴:お上さん、京は大変ですよ、商いは休んだほうが。。。

剣心:急ごう

花屋:あの人。。。

巴:夫です

第三幕 宵里山

お待たせしました

今日は いい天気だ

薪がよく乾く

ごめんなさい

えっ?

おろしにする大根がなくて?

別にかまわないが? 俺は

でも? 何だか気が抜けたようで

畑を?するか

えっ?

大根はどうか分からないけど 何か作れると思う

子供の頃 よく家の手伝いをしてた それぐらいなら? そう?ですか

えいっ

よお! 精が出るな

ふぅん

何です?

いや どっから見ても本物の夫婦所帯だと思ってな

残ってる苗 植えてきます

あれ? 何かまずい事言ったかな

いえ それより

ああ

状況は良くない こないだの馬関戦争に続いて―

萩じゃ 俗論派の粛清が始まっている

粛清?

藩の保守派どもが幕府に いい顔見せたいって言うんで― 俗論派に次々に詰め腹切らせてんのさ

今 萩じゃあ 腹斬りのない日はないって有り様だ

ひでぇもんさ

最も お陰で幕府の 長州征伐だけは回避できたから― まっ どっちの派閥も 双方痛み分けって所だがな

だが このままじゃ すまんだろう

今 高杉さんを牢から出す算段が進んでいる

そうなれば奇兵隊が動く 萩は近々 戦になるかも知れぬ 桂さんは?

あれ以来 どこへ行ったのかまったくの行方不明

藩じゃ“逃げの小五郎”って 陰口を叩かれてる

そんな?

世の中 そんなもんさ

まっ とにかく 俺達はまだ待つしかない

これは当座の金 片貝さんからだ

それと 荷物を置いていく

お前 薬を作って売り歩け

薬?

商売してれば世間はたいして疑わんからなぁ

この辺りに 人は住んでいませんよ

大津に降りて行く途中に村がいくつかある

そこを通る時の用心だよ

ここから京には一日で出られるが 今 絶対に近づくなよ

あっちじゃ新撰組はおろか 見廻組までが競って志士を斬ってる その数たるや お前 “人斬り抜刀斎”の比じゃねぇ

近い内にまた 様子を見に来る

じゃ! また巴さん

あんた今日から 薬屋の女房だ

ここ何年も忘れてたな 十五夜なんて?

夕方 秋茜を見ました

この先 どうなるんでしょう

いつまでここで 暮らしていられるのでしょう

しばらくの間だと思う それ以上は?

日が暮れるまでに 戻りたい まだか?

はい 今

夫婦者は怪しまれないって 本当だったな

ええ それに思っていたより よく売れてしまって? 良かった 置いて来たんだな あの小刀

はい 置いてきました

今は 薬屋の女房ですから

冷えてきた 急ごう

美味い

そうですか

久しぶりだ こんな味?

そうですね

どうした?

いえ 何でも?

どうぞ

そうですか

まっ 気長に行こうや

それとも 退屈な薬屋の生活に飽きが来たか?

そんな事はありませんよ もともと好きで人を殺めてたわけじゃない

それに ここでの生活は退屈どころか 色々と目の醒める事の連続ですし そりゃ結構

だが くれぐれも腕だけは鈍らせるなよな じゃあな

くれぐれも?な

ごめんなさい

あの人 少し苦手で? お見送りもしないで

そんな

せっかく?

雨が続いたから?

大丈夫 半分は無事だろう よくある事だ

でも?

でも?

でも?

あなたは聞かないのですね

えっ?

私の身の上を 何も?

君の父上に すまないと思っている

素性を隠す為とはいえ 夫婦として暮らしている事に変わりはないから だから 君の過去を聞いた所で どうこう言えた義理じゃない

―あなたは? ―ん?

いいえ 何でもありません

巴ちゃん これを せめてもの形見にと先方のご両親が?

わざわざ すみません

御家人の次男程度じゃ 巴ちゃんを幸せにできないからって― 京に行ったんだって?

その志は立派だけどねぇ

だからって 見廻組なんかに入るから こんな事になっちまうんだよ そんな事を言うもんじゃないよ

少しは巴ちゃんの気持ちも考えてやっておくれ

お姉ちゃん どうしちゃったんだよ

返事してくれよ 姉ちゃん

どうしちゃったんだよ

姉ちゃん?

姉ちゃん?

ああっ? はぁ?

人を斬っていない時のあなたは―

優し過ぎるわ?

桂は逃がしちまったが 抜刀斎の方はまだ掌握している

あと少しで 奴を殺れるぜ

やはり こいつが?

この数ケ月で すっかり剣気は衰えてるし

何より 目の色が変わっちまった

まったく大したもんだよ あんたらの“仕込み”は

うっ!

ぐっ!

ぐあっあっ?

ちっ! 片貝?

そろそろ潮時のようだ 最後の仕上げと行かせてもらうぜ

おい 縁

待たせたな

雨が止んだら お前の出番だ

雪代 縁

姉ちゃん!

縁?

来たよ 姉ちゃん

弟です 縁と言います

弟?

ええ 時々便りを出していたのですけど? 訪ねてきてくれて そうか 積もる話もあるだろう

畑を見て来るよ

いきなりで驚いたわ 父上は お元気?

元気じゃないかな

江戸からは いつ出て来たの?

半年前? 姉ちゃんが出て行って すぐに

縁 あなた今 どこのお家にお世話になってるの?

それに どうして ここが分かったの?

分かるさ? 俺が連絡係なんだから

いよいよだよ 決まったんだ!

喜んで 姉ちゃん

やっとあいつに 抜刀斎に天誅を下せる時が来たんだ

それが姉ちゃんの望みだろ? だから 一人で出てっちゃったんだろ こんな寂しい所で あんな奴と一緒に?

んっ!

今すぐに江戸に帰りなさい あなた一人で

何言ってんだよ 姉ちゃん

あなたは雪代家の長男でしょう こんな事に手を染めては駄目よ 家なんてどうでもいいよ! 俺は姉ちゃんの力になりたいんだ だから!

帰りなさい 縁

分かったわね

どうしちゃったんだよ!

何で あんな奴をかばうんだよ!

あいつは姉ちゃんの敵だろ!

姉ちゃんから幸せを奪った 憎き仇のはずだろっ!

それを父上に渡して 私の代わりだと思ってくれって

えっ?

お願いよ いいわね

姉ちゃん?

いいわね

連絡場所 確かに伝えたからね

あいつさえ あいつさえ居なくなれば?

冬までに間に合った

ええ

急な思いつきで 採れるかどうか自信なかったけれど―

結構 育つものだな

んっ?

いえ? あんまり美味しそうに食べるものだから

そうか

本当だったら あなたは毎日 こうして暮らしていたんですね 畑をして 採れた物を食べて?

ここに来てから 思っている

御剣流の理にならって

力弱き人々の為に 一人でも 多くの人々の幸せを守る為に― “新時代”をと 剣を振るってきたけれど

それがいかに 思い上がりだったかという事を

この程度の暮らしを守る事が 俺にできる精一杯だったんだと 俺個人は 今まで幸せというものがどんなものなのか―

分かっていなかった気がする それが今になって やっと? 君とのこの里山での生活の中で はっきりと自覚できた

今まで 自分が何の為に闘い これからも闘っていくのか その答えを 君が教えてくれたんだ

私も少し お話していいですか?

んっ? ああ?

私の実家は江戸にあります

父は御家人 文武共に からきしですが優しい人です

母は病弱で 縁を産んで 間もなく亡くなりました

だから 縁にとって 私は姉であり―

また 母でもあるんです 可愛い弟です

裕福ではありませんが 平和に日々を暮らして参りました 私 決まっていたんです 嫁ぎ先が?

相手は同じ御家人の家の次男で 幼なじみでした

そのお話が決まった時 弟が駄々をこねて困りましたけど それを除けば祝言まで 何一つ滞りなく 進むはずでした でも 彼は祝言を前に 動乱の京で―

還らぬ人となりました

報せを聞いて 居ても立ってもいられず 私もこちらに参りました そして? あなたと出会いました

そういう女です?

ごめんなさい

ごめんなさい 私は あなたを?

縁 明日になれば 姉ちゃんと江戸に帰れるぜ

あいつさえ 抜刀斎さえ居なくなれば―

姉ちゃんは帰って来る そういう事だよね

ああ そうだ そして全てが終わる

晴れて お役ご免ってわけだ お前も俺もな?

悪いな 身体を張った大博打 負けるわけには いかねぇのよ もう少しだ

ええ

今年はこれで終わりだ 次に売りに行くのは 雪が溶けてからだな この生活が来年まで 続けられればの話だが?

はぁはぁ?

急がないと 風邪をひく

俺は?君を?

君を?守る

はっ!

君を?守る

私の預かり知らぬ所で 彼は死ぬ 私の幸せも消え去りました 目の前にあった幸せを つなぎ止める事ができませんでした でも それは自分のせい? 想いを伝えられなかった自分のせい あの時 私に勇気があれば そう思えば思うほど 何かを? 誰かを憎まないと 気が狂ってしまいそうで

あなたを殺す策略に 身を委ねました

そんな女を?あなたは あなたは 守ると?

あの人は 同じ御家人の次男で幼なじみ

父と似て 文武はからきし

けど 誰にも優しく 何より努力の人でした

そんな所が ずっとずっと 好きだったから?

彼が私を選らんでくれた時は 本当に嬉しかった けど? その時 私は嬉しいのに―

只々 眼を丸くする事しかできませんでした

だからかも知れません

私がどれだけ幸せだったか 彼に伝わらなかったのは? 私には 幸せになる資格なぞ なかったのかも知れません “あなたは血の雨を降らせるのですね”

初めて会った時 君はそう言った

ええ

“人を斬る事で得られる幸せがあるとは思えない”とも言ったね ええ

その通りだと思う でも―

この先も 俺は 人を斬るだろう

新しい時代が来る その刻まで?

けど その刻が来たら―

俺は人を斬る事なく 人を守れる道を探そうと思う

この目に映る人々の幸せを一つ一つ大切に守りながら― 罪に背負い 償う道を?

君がいれば 俺は刀を捨てられる

巴?

はい

君の幸せは 俺が?守る

はい

この人は私の幸せを奪った人

そして?もう一つの幸せおくれた人

さよなら?私を愛してくれた二人目のあなた

巴?

巴!

飯塚さん!

内通者が割れたぜ

巴だ!

えっ?

向こうの山のお堂に仲間がいる 多分 巴はそこに?

始末しろ

そんな?

証拠がある 日記だ

日記?

お前の頬に 傷をつけた例の男

巴はあの男の―

女房になるはずだった女だ

彼は祝言を前に動乱の京で 還らぬ人となりました?

次回 るろうに剣心 第四幕“十字傷” ご期待下さい

るろうに剣心 追憶編 第4幕 「十字傷」

内通者が割れたぜ

巴だ

向こうの山のお堂に仲間がいる 巴は多分 そこに

始末しろ

はぁ はぁ?

はぁ? 姉ちゃん

ふ―っ

さてと?

長居は無用 さっさと ずらかるか

ふ? じゃあな 緋村

はぁ はぁ?

いつまで こうして いられるのでしょう

何故 縁を巻き込んだのですか

京で姉の事を聞き回っていた あの坊主を 上の者が連れて来た つまり お前と 全く同じ経緯という事だ

他の人達は?

山に散った 奴を待っている

私の知らせを聞かずに?

知らせ?

ああ 人斬り抜刀斎の弱点だったな もう良いのだ

それでは 私は何の為に? はっ!

そうだ たとえ どれほど冷徹な人斬りといえどー

情の通わぬ男はおらん

今の あやつの最大の弱点はお前自身なのだ

あやつは ここに向かっている 勿論 お前に会う為にな

だが 自分の好いた女が 間者だと知り 心は千々に乱れておろう 今のあやつは 本来の力を出す事はできぬだろうよ

これこそ 我らの真の目的 分かったかね

最初からそのつもりで? 私を

だったら? どうするね

ううっ!

うう? うっ

うっ!

はっ!

惚れたのか 女子とは 難儀なものよ

が それも無理からぬ事 人の情とは移ろい易いものだ

それが強く激しいほど 自分ではままならぬ

憎む事と惚れる事 その差は紙一重ほどもないのかも知れんなあ

それが 人の業というものだ

いかな秀でた人斬りといえども 女子の業の前では 赤子も同然

最初から そこまで?

ん?

はうっ?

無茶をするな

あ?う?

舌を噛み切るには 相当の力と覚悟がいる それに―

お前が死んで どうなるものでもない

あっ?

死にたくば 好きにするがよい

だが 事の初めを 忘れたわけではあるまい

何故 死なねばならなかったのだ 清里は?

はぁ はぁ?

お前にとって 清里とは 何だったのだ?

かけがえのないものではなかったのか?

少なくとも清里にとって お前はかけがえのないものであったろう でなければ 腕に自信もなしに 動乱の京になど来はすまい

自分の命をかけてまでも お前を幸せにしたかったのだろう

だったら そばに? すぐ そばに居てくれるだけで

私は それだけで?

それが 男の業なのだよ

女を幸せにする為に 家を 村を―

そして この徳川の世を保持せねばならぬ

世の平安なくして 個々の幸せなど得られようはずもない

この徳川の世に害を成す者あらば たとえ どれほど小さき芽であっても― あらゆる手を講じて これを摘む

その用心深さこそが 徳川 三百年の泰平の理由

我らが それを支えてきたのだ

そして それは我らの業そのもの

我らも守っているのだよ 人々の幸せを? 命懸けでな

分かるか 我らは皆 業深き者の集まりなのだ

はぁ?

その宿業の中で生き そして 死んでゆく

これが 人というものの定めなのだ

うっ!

うあっ

我らは 徳川の為 この世を守る為に 奴を倒す

お前が奴を好いたのも 全ては業の成せる技

過ちを犯さぬ人など おりはせぬ

清里を思い出せ かけがえのない男 清里を?

はぁ はぁ?

と?も

と?も?え

と?も?

半年かけて なお 更なる犠牲を必要とするか

だが それも承知の上の事 奴はこのわしが必ず仕留める

それこそが清里を そして幕府の為に 散って行った多くの部下達の死を― 無駄死にとしない為の唯一の方法

そして お前はそれを その目で見届けるがいい

それが お前の幸せを 守ろうとして死んだ清里への―

せめてもの弔いとなろう

清里?様

はぁ はぁ?

うう?

うっ

はぁ はぁ?

女将さん 部屋を頼みます

長州藩は忙しおすなあ 人斬りの後は女子しですか

何も? 別に 俺の女というわけじゃありませんし

誰も そう思ってないぜ 一度は助けた女だろうが

桂さん ご無事で!

いっそ死んでいればと思うよ これで 俺は全てを失った

はぁ はぁ?

はぁ はぁ?

行くか 大津へ

行くか 大津へ

行くか 大津へ

大津へ?

行くか!

大津へ?

あっ

はっ!

はあ?

その姿 ここまで辿り着くのが 精一杯といった所か

抜刀斎といえど 守るものなき戦いは 過酷なものという事だ

そもそも お前には守るべきものなど 最初からなかったんだ

我らとは違ってな

幕府の命により 闇乃武の長として これより決着を付ける

同時に 我が配下の無念を晴らす

それが このわしにできる唯一の償い

奴らを守れなんだ このわしのな!

はっ!

うっ

ううっ

はあっ

ううっ!

ううっ?

うあぁ

はっ!

俺は 弱き者の幸せを守る為に 人を斬ってきた

でも? 君はその為に 幸せを失ったんだ

俺は君の大切なものを奪ってしまった

それを知らずに?

俺は君を?

俺には 君を守る資格などなかった

それでも 俺は?

君を?

ええ それに思っていたより よく売れてしまって?

いえ あんまり美味しそうに食べるものだから?

でも 何だか 気が抜けたようで?

夕方 秋茜を見ました

巴?

俺は君を ま?もる

分からぬな 女子というもの?

巴!

はぁ? はっ

と? 巴

はっ!

うっ?

うっ!

ごめん?なさい あなた?

はっ!

姉ちゃん?

巴?

君を失って やっと君の 苦しみが分かったような気がするよ 君はこんな思いに ずっと耐えていたんだね

辛かっただろう 憎かっただろう

だのに 君は 俺を守ってくれた

こんな俺を 生かしてくれた

でも 君はもう辛い思いをしなくてもいいんだよね

苦しまなくていいんだよね

俺は この苦しみを 背負ったまま 生きて―

償いの道を 探さなければならないんだ

俺を守って 死んでいった人と 俺が殺めた人々の命に報いる為に? 辛いけど 多分大丈夫だと思う 今までもそうだったし

君が教えてくれた 人の温もりの暖かさを憶えていられるのなら? 多分 俺は?

君とは お別れしなきゃならないけど

今は? 今だけは

このまま 二人一緒に?

舟が出るぞ―

さてと ばれねえうちに―

さっさと ふけますか

ん?

ちっ! 今度は 俺が検分される番なのかよ

だが “浮き世の事は所詮博打”ってね?

どっちに出るか はり続けるまでの事よ!

緋村

ここで 起きた事は おおむね調べた すまん

桂さん?

内通者は始末した

腕の立つ者を一人見つけてな

うわー!

うおっ

ちっ! 正月早々ついてねえ? うっ

暗殺稼業は 今後 彼に任せる事に決まった

だが お前には益々剣を振るってもらわねばならない

京は酷い有り様だ

新撰組を筆頭に 幕府は志士狩りを強化している

誰かが剣を以て 抗さねば 全滅は必至

そうですか?

緋村

はい

かつて 巴さんに 頼んだ事がある

お前という“抜き身”を納める“鞘”になってくれと

鞘?

そうだ 彼女は今でも お前の鞘であり続けている

俺はそう信じたい

―桂さん ―ん?

今 俺にできるのは 剣を振るい続ける事だけ?

巴もそれを望んでいたから 俺を守ってくれたんだと思っています そうか

けれど “新時代”が来たら?

刀を捨てるか

分かりません ただ その時は―

もう二度と 人は殺めない もう二度と?

晋作 お前の言った通りになってしまった 俺の誤り

飛天の剣は 旧時代を壊す為でなく 新時代を守る為に使うべきだった すまない 緋村

巴? じゃあ 行って来るよ

いたぞ! こっちだ

追え!

一人も逃がすな

早くしろ!

何だ?

―退け ―何!

―何だと? ―貴様

退けば 命は助ける

退かねば?

―赤い髪に? ―左頬の十字傷

あなたが“人斬り”

組長

ふんっ!

う?はうっ

う?げほっ

はあ?

沖田君 さがっていたまえ

斎藤さん

俺は血の臭いに敏感でね

それに 今の君の身体では 奴を仕留められない 行くぞ!

坊主 名は?

心太

優し過ぎで 剣客にはそぐわないな

お前は今から“剣心”と名乗れ

剣?心

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